順風満帆な
エリートコースから
大きな挫折が転機となる

　私は、現在、組織コミュニケーションコンサルタントとして活動しています。

　その目的は、組織のパーパス（存在意義）をメンバーへ腹落ちさせ、メンバー一人ひとりの自己理解、そして相互理解を深めることで、組織内のコミュニケーションを活性化させて、心理的安全性の高い職場を実現し、組織の成果向上に繋げることです。

　では、今、なぜ、こんなことをやっているのかと振り返ってみると、ビジネスパーソンとして３つ挫折経験がきっかけになっていたことに気づきました。

子会社への左遷

　まず、会社が合併した時、自組織の利益だけを考える組織に対してペーペーの管理職の分際で「この組織の在り方はおかしいだろ！」「合併したんだから、この組織は新会社の中ではこうあるべきだ！」と一人で正論を吐いて執行部から煙たがられ、潰れてしまいそうな赤字続きの子会社に飛ばされたことです。

　ただ、その子会社の営業責任者として「絶対にプロパー社員を路頭に迷わせるなんてことはできない！」という思いから、「こんな会社にしていこう！」と日々メンバーを鼓舞し続け、時に喧々諤々議論をして徹夜までする日々を過ごして、何とか黒字化することができました。

　このことから、どのような組織にいても前向きに誠実に全力で仕事に取り組み、何でも言い合える心理的安全性の高い職場環境を作ることこそが組織の成果に繋がることを学びました。

　もう一つは、本社に戻って部長にまで出世して順調なサラリーマン人生を送っていた矢先、上司との折り合いが悪くなり降格人事を経験したことです。

　当時はその現実を受け入れられず、「結果を出しているのに、何でこうなったんだ？」と日々悶々と過ごし、モチベーションはがた落ちで、翌年は何と！平社員にまで降格してしまいました。

　ただ、その後課長に復帰してたまたま受けたコーチング研修で、コーチとのデモセッションに参加して、「これが、コミュニケーションの真理か！？」と空気投げを食らったような感覚を味わいました。

　コーチングの三原則である双方向コミュニケーション、個別対応、継続性、「全てが自分に足りていなかったことだ！」「自分は今まで自分に指を向けず、ずっと他責にしてきた」ことに気づき、コーチングを学び始めたことから、新たな人生が動き始めました。

再度子会社への出向

　そして、キャリアの最後は学んだコーチングを活かして人材育成部門で活躍しようと、入社以来初めて自分の意志での異動を画策したのですが果たせず、希望とは全く異なる子会社に再度出向させられたことです。

　ただ、出向先の会社で行動指針（フィロソフィ）を作る話が持ち上がり、社員全員で半年に渡って12日間かけて、「どんな会社にしたいか？」「そのために何を大切にしたいか？」をテーマにした対話によるワークショップを実施しました。

　そこでの驚きは、そのプロセスの中でお互いの関係の質が劇的に変わったことです。「一つの目的に向かって対話を重ねることがこんなにも大事なんだ！」と、コミュニケーションの量を増やすと組織が活性化し組織の成果にも繋がるということに気づき、「組織コミュニケーションコンサルタント」を志すきっかけとなりました。

　人は、自ら気づいて行動することで初めてベストパフォーマンスを発揮します。そして、それは、私自身が40年に渡るビジネスパーソンとしての経験の中で、体験してきたことでもあります。

　私の知識、経験、そして、スキルの全てを使って、一人ひとりのメンバーが活き活きと楽しく頑張れる（ITG）組織を実現するためのサポートをさせていただく機会を楽しみにしております！